伝統とモダニズムの融合。長大作の和風照明「ANDON TRIANGLE」の魅力とインテリア活用法

日本の暮らしに古くから寄り添ってきた「和紙の灯り」。どこかホッとする柔らかな光は、現代のモダンなインテリアにも不思議なほど心地よく馴染みます。
今回ご紹介するのは、日本のジャパニーズ・モダンの巨匠として知られるデザイナー長大作(ちょう だいさく)氏が手がけた名作照明。
江戸時代から続く岐阜提灯の老舗浅野商店とのコラボレーションによって生まれた「ANDON TRIANGLE(アンドン トライアングル)」の魅力に迫ります。

ジャパニーズ・モダンの巨匠・長大作とは?経歴と代表作
まずは、この美しい照明を生み出した長大作氏のプロフィールをご紹介します。
長大作(1921–2014)は、日本のミッドセンチュリー期を牽引した建築家であり、家具デザイナーです。
東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、ル・コルビュジエの弟子である建築家・坂倉準三の事務所に入所しました。
坂倉事務所では、数々の名作建築や家具のデザインを手がけ、日本の伝統的な美意識と西洋の合理的なモダニズムを融合させた「ジャパニーズ・モダン」の礎を築きます。
使い手の暮らしに寄り添い、無駄を削ぎ落とした誠実なデザインは、今なお高く評価されています。
長大作の代表作(パーシモンチェア・低座イスなど)
代表作には、1960年ミラノ・トリエンナーレで金賞を受賞した柿の種のようなシェル形状が美しい「パーシモンチェア」、歌舞伎役者・八代目松本幸四郎邸のためにデザインされ和室の暮らしに革新をもたらした「低座イス」、そして彼が好んだフォルムを取り入れた木製の「トライアングル・テーブル」などがあります。
いずれも日本のモダニズムデザインを象徴する名作として知られています。
岐阜提灯の老舗・浅野商店が挑んだ「Lx.プロジェクト」
長氏が晩年に取り組んだ照明「ANDON TRIANGLE」は、岐阜県岐阜市の老舗提灯メーカーである浅野商店が立ち上げた「Lx.プロジェクト(ルクス・プロジェクト)」から誕生しました。
このプロジェクトは、伝統的工芸品である「岐阜提灯」の高度な職人技術を現代のライフスタイルに活かすため、世界の一流デザイナーたちとコラボレーションした試みです。
伝統を守るだけでなく、新しい素材や技術を貪欲に取り入れながら、現代のインテリアに溶け込む上質な灯りを提案しています。

名作スタンドライト「ANDON TRIANGLE」4つの魅力
長大作氏が浅野商店とともに作り上げた「ANDON TRIANGLE」は、古き良き日本の行灯(あんどん)を現代的に再解釈したスタンドランプです。
一般的な行灯は四角形ですが、この作品は長氏が自身のデザインに積極的に取り入れ、最も惹かれていたという「三角形」のフォルムを大胆に採用しています。
1. 端正な三角形フォルムとトラス構造の美学
長氏が自身のデザインに積極的に取り入れ、強いこだわりを持っていた「三角形」。浅野商店へ提灯の技術を活かした照明を依頼した際、長氏から提案されたのがこの三角形のフォルムでした。
構造的に強度の高い「トラス構造」から着想を得たとも言われる杉材のフレームは、一切の無駄がなく、和室だけでなく北欧モダンやミッドセンチュリー調の洋室にも美しく調和します。
2. 美濃和紙が生み出す柔らかで優しい光
シェード部分には、天然材料である楮(こうぞ)を主原料とした美濃和紙が使用されています。化学処理で繊維を細かくほぐす一般的な紙と異なり、手漉き和紙は長く絡み合った強力な繊維を持ち、柔軟性と優れた耐久性を兼ね備えています。
また、この長く絡み合った繊維によって光が柔らかく乱反射し、空間全体を包み込むような優しく穏やかなグラデーションを生み出します。
3. 国産杉柾とカンナ仕上げによる無垢な素材感
日本の工芸の良さを引き出し、提灯との組み合わせの美しさを追求した長氏。フレームの素材には、日本の伝統を感じられる「国産の杉柾(すぎまさ)」があえて選ばれています。
さらに、そのディテールは日本的な端正さを保つため、無塗装のカンナ仕上げで丁寧に作られており、職人の手仕事と素材そのものの美しさが際立ちます。
4. 空間に合わせて選べる2種類のサイズ展開(A・B)
長氏の要望により、設置する空間の形や大きさ、天井高に合わせて選べるよう「ANDON TRIANGLE A(W20×H30cm)」と「ANDON TRIANGLE B(W29×H30cm)」の2種類のサイズが展開されています。
中間スイッチで簡単に点滅操作が行え、驚くほど軽量(約180〜220g)なため、お部屋のレイアウトや用途に合わせて手軽に置き場所を変えられる点も魅力です。

「ANDON TRIANGLE」を取り入れたインテリアコーディネートのコツ
「ANDON TRIANGLE」はそのシンプルな造形美から、多様なインテリアスタイルに調和します。
和室・畳空間:床の間や座卓の脇に低く配置することで、伝統的な行灯のような風情ある空間を演出できます。
北欧・ミッドセンチュリー:サイドボードの上やソファ横に間接照明として配置。木製家具との相性が抜群です。
ベッドルーム:美濃和紙を通した柔らかな光は目にも優しく、就寝前のリラックスタイムに最適です。
長大作の「ANDON TRIANGLE」で上質な和モダン空間を
職人の手仕事によって丁寧に作られる「ANDON TRIANGLE」は、単なる照明器具ではなく、空間に静かな空気感をもたらしてくれる彫刻のような佇まいを持っています。
忙しい日々の終わりに、部屋の主照明を落としてこのアンドンに明かりを灯す——。それだけで、心がじんわりと解きほぐされるような特別なリラックスタイムが始まります。
日本の伝統美とモダニズムデザインが美しく融合した一生モノの灯りを、ぜひあなたのお部屋にも迎えてみませんか?

作品集 ※画像転載禁止
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